社長のひとりごとCOLUMN

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2019.12.06 にわかラグビーファンになって思うこと~さざれ石から学ぶ~

 今回のラグビーワールドカップの日本大会で、日本が第2戦目のアイルランド戦に勝利して以来、すっかりラグビーの虜になりました。本当のにわかラグビーファンです。この魅力は改めて言うまでもありませんが、選手たちの駆け抜けるスピード、ぶつかり合いのスクラムの重量感、そして飛び込むタックルの勇猛さ等に圧倒され、度肝を抜かれました。
 他のスポーツにはない、これだけの激しい戦いであるからこそ、綿密に積み重ねられたルールに則り、審判に文句ひとつ言わず、従順に従う選手たちの潔さ。ホーンが鳴り、最後のボールが蹴りだされてノーサイドになると、一人ひとり抱擁を交わし、お互いの健闘を称える。また、観戦者たちもお互い敵同士を忘れて、握手し、ねぎらうという観客同士の一体感がありました。全てに感動があるラグビーの熱戦ににわかファンになった日本人は多いのでないでしょうか。日本人という民族はチームワークを駆使して闘うことが得意なようです。数年前の世界陸上でもバトンワークを工夫し改善することによって、リレーにて最高のチームワークを発揮し、アメリカ選手の身体的優位性を破り、堂々2位になったことは記憶に新しいです。
 ラグビーの日本チームはその意味では不利な外国人との混成チームです。今回の日本チームの躍進のなかで、どのようにチームワークを醸成したかの話に学ぶことがあります。それは、2014年4月にリーチ・マイケルがキャプテンに就任したとき、チームはワールドカップ16連敗中であったようです。どうしたら勝てるチームになれるか? それは 「俺は日本の代表選手だ」というプライドをどう引き出し、モチベーションを上げるか? でした。考えつくした結果、「君が代」の歌詞の意味を全員で理解して、外国人も含めた全員で歌い上げる練習をしたということです。歌詞の中にある「さざれ石」が何かを知るために、現物を観に行きました。小さな石が集まり、強くて固い巌になる。君が代を歌い上げるという練習を通して、このことに気付いた選手たちに、徐々に「ワンチーム」になることの深い意義が浸透し、練習に益々一体感が醸成されたと聞きます。
 結果、挑んだ南アフリカ大会ではチームは3連勝をあげ、続く日本大会では初のベスト8入りを果たしました。
 当社も数年前から、「ONE TEAM ONE ISONO」のスローガンを掲げています。再度この言葉の意義を知り、持ち場立場で最高のパフォーマンスを発揮し、一体となり、この厳しい経済情勢を乗り切ってまいりましょう。

合掌

2019.11.06 「対立しつつ調和する」~理想の労使関係~

 創業100年を超えるパナソニックの生みの親、経営の神様といわれた松下幸之助さんはあまりにも有名で、数々のエピソードを残しました。今も京都には松下資料館があり、多くの人々に生きるヒントを与え続けてくれています。その中に私がとても印象に残り、当社もこうあるべきだと思ったことを紹介してみたいと思います。
 それは昭和21年、松下電器に労働組合が結成され、結成大会において、社長として祝辞を述べようにも組合員に容認されない状況に直面したのです。そして、場内騒然の内に登壇を許された松下幸之助さんは、次のように語りました。
「労働組合の誕生に私は心から祝意を表したい。今後は組合から会社に対し、提案や要望が出てくるだろう。それが国家国民のため、皆さんのためになるなら、喜んで聴いていこう。けれども聞くべきでないことは聞かない。そして共々に力を合わせて日本の再建に努力していこうではないか」。
 この祝辞に割れんばかりの拍手が起こったといいます。当時はまだまだ結成された組合は経営者の悪口を言い、経営者も労使の結成式にはでないのが当たり前の時代でした。そんな労使関係を打ち破るために自ら歩み寄ったのです。
 さらに言います。
 「労使の関係は“対立しつつ調和する”という姿が望ましい。つまり、お互いに言うべきは言い、主張すべきは主張する、というにように対立するわけです。しかし、単にそれに終始するのではなく、一方では受け入れるべきは受け入れる。そして調和をめざしていくということです」。
 組合のない当社でいうと、組合のように社員の意見を代表して言うべき存在が、課長職以上の管理職社員にあたると思います。「対立しつつ調和する」という労使関係のあり方は私を含む役員と管理職社員の関係もこうあるべきと思うのです。
 役員と管理職社員の意見が違ってもいい。いや、いつも同じであればかえって危険かもしれません。それぞれがしっかりした自分なりの意見をもち、その意見が「対立しつつ調和する」ことが良いと信じます。
 そのような意見には「進言」と「諫言(目上の人の過失などを指摘して忠告すること)」があります。進言と諫言がうまく調和され、体現される会社こそ、必ず良いもの、より進化したものが生み出されるに違いありません。
 いその㈱もパナソニックと同じように100年以上継続する企業を目指します。「対立しつつ調和する」高い信頼に基づく関係を創ってまいりましょう。

合掌

2019.10.04 命の授業~死の淵から生還した男の生き様~

 『幸縁』というA4のかわら版を毎月送ってくださる腰塚勇人さんのお話を聞いてきました。
 腰塚さんは神奈川県在住の54歳です。熱血指導の中学教諭であった2002年3月、36歳の時に、プロはだしのスキーヤーだった彼は、慢心からスピードを出し過ぎて岩にぶつかり地面に落ちて首の骨を折りました。動くのは目だけの状態になり「俺の人生は終わった」と思ったとのことです。絶望で死を何度も考えましたが、教え子たちからの早い復帰を望むビデオレターや「祈 完全復活」と書かれた色紙をもらい、想像を絶する痛みのなか、一念発起して多くの看護師と共に必死のリハビリを続けました。その結果、奇跡的に両足歩行が可能になり、左手は自由に開くことができるようになりました。職場復帰も果たし、教え子たちから祝福されたようです。
 この話はビートたけしの番組『奇跡体験!アンビリバボー』に取り上げられ、大きな反響があったそうです。自らの体験を活かして『命の授業』と称して学校の先生向けに講演を始めて10年になり、年200回を超えるといいます。特に最初のころに鍵山秀三郎氏との出会いで、「大樹良根」(深めれば広がる)や「進化は深化」(毎日少しずつ成長)を学び、このご縁で広がったようです。腰塚さんは「ドリー夢メーカー」として、5つの誓いを立てています。

 ・目は人のよいところを見るために使おう
 ・口は人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう
 ・耳は人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう
 ・手足は人を助けるために使おう
 ・心は人の痛みがわかるために使おう


 毎月の講演会で多くの良き出会いを戴くなかで、気づいたことを『幸縁』で発信しています。2点ご紹介します。
 1点目は「野球の選手に登用しない二つのことがあり、一つは自分でやると決めた練習なのに不平不満を言う人。もう一つは試合の中でうまく行かないイレギュラーなことがあったときに、不平不満の態度を取る人です」。この言葉から全ては自分が源である。今後とも周りに起こることに一切不平不満言い訳をしないと思い直しています。
 2点目は「助けてよ 笑顔の裏で叫んでいる」という言葉です。表に出せない苦しみにもがく気持ちに寄り添い、少しでも解決の道を共に探してまいります。
 自分の体験から魂の言葉で紡ぎだされる『幸縁』は毎月多くの気付きがあり、毎月自分に新たな命が与えられる『命の授業』を受けているようです。

合掌

2019.09.06 今年度の反省と53期に向けてのお願い

 いその52期は、全体を通じて大きな波風が立つこともなく、後半は一部値下げの局面に入りましたが、ナフサも比較的安定しており、荷動きは、ほぼ順調であったといえる年になりました。売上げは4%未達であったものの営業並びに経常利益は、ほぼ目標通りとなりました。社内を見渡しても、会議は5分前に開始され、朝の掃除も各々が懸命に行い、社員同士またお客様への挨拶の声も日増しに大きくなっています。また、会議では、より1歩踏みこんだ議論がなされているようです。数年お願いした「時を守り、場を清め、礼を正す」と「ONE TEAM ONE ISONO」が具現化されているようです。
 自分自身の反省としては、各部門長とのコミュニケーションが不足していたことと、改善提案制度の活用が低かった(特に生産性にまつわる改善が少なかった)ことの2点です。今期の自分の課題としてまいります。
 53期の年度スローガンを「笑顔溢れる元気な会社」とします。皆さんが朝起きたらすぐに会社に行きたくなるような会社、皆の顔を見たら元気になる会社、にしてまいります。
 全英オープンゴルフで優勝した渋野日向子選手は、プロテスト合格2年目にして初めての海外遠征で、世界の強豪相手に臆することなく、強気の攻めで見事に栄冠に輝きました。彼女の強気のハートを支えたのが、あの「天使のような笑顔」であると自分は信じています。この笑顔は単純なものではなく、いろいろなことを乗り越えた後にでる「自分を信用する力」からくる笑顔。是非、皆さんもいつも「笑顔」になる方法を自分なりに見出して実践していってください。良い方法を見出したら、磯野までハガキやメールを頂けたら幸いです。必ず返信致します。
 全体目標としては、
①マテリアルリサイクラーとして、SQCD(安全・品質・コスト・納期)について5年後も日本一であるための1年目とする
②100年企業のための人材育成の仕組み作りをする

の二つです。
 ①についてはISO上の各プロセスの目標に落としてPDCAを回してまいりましょう。②については文字通り人材育成こそ企業の継続成長の要です。今まで、計画的に取り組んだことがなかったのですが、今期は職能及び人格・品格を向上していただくべく、「人材育成室」を設営します。1年かけて仕組みを作ってまいります。
 53期も「今こそ地球に恩返し」が経営理念です。一人ひとりの全てのことに感謝しながら、二度とない、かたじけない人生を懸命に生きてまいりましょう。
 今期も皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

合掌

2019.08.06 最近の研究から~「衝撃!今日から始めよう歯周病菌対策」

 今回の「ひとりごと」は、少し趣向を変えて、身近な歯にまつわる健康管理のお話です。皆さんは歯医者にどの位の頻度で通っていますか? 
 口の中に違和感を覚えたときに診察してもらう程度に行っている方も多いと思いますが、何の違和感もない状態のときでも、2~3か月に1回は定期健診に行くべきだと考えるようになりました。ある情報誌に歯磨きに関しての新しい考え方が紹介されており、それには何と、「食事の前に歯磨きしなさい」とありました。普通は反対ですね。結構自分にとっては大きな衝撃でした。
 この歯磨きの方法は歯周病菌対策として有効らしいのです。歯周病菌の怖さを改めてみていくと、歯茎やその周辺の血管などに、この菌が侵入することで、「虫歯」や「歯が抜ける」以上の現象が身体中に起こります。
 まず、歯周病の人はこの菌の毒素によって産出される炎症物質が血糖値を下げるインスリンの働きを抑え、糖尿病を悪化させます。また、狭心症や心筋梗塞などを含む、循環器系の病気になるリスクも高まるそうです。これはこの菌が歯茎の血管を通じて動脈に入り込み、直接血管障害を与えたり、炎症性のたんぱく質が血流を通じて心臓や血管に移動して、心臓血管系の異常を引き起こすからです。また、呼吸器系では、この歯周病菌がついた食べ物を唾液と一緒に誤嚥することで、肺炎を引き起こします。
 また、アルツハイマー病にも関与が分かり始めたようです。歯周病の原因菌によって作られ、口臭の原因にもなっている「酪酸」が脳の海馬で、鉄分子を作りだし、脳細胞を破壊します。
 以上みてきたように、歯周病を甘くみると、歯周病菌が全身に回ってしまい、多くの病気になってしまうことがよく分かるのではないかなと思います。
 歯磨きは、できるだけ食事の前に行ない、そういった菌が体内に入らないようにすることが大切です。習慣でなかなかできない場合は、うがいで歯周病菌を吐き出してから食事をし、後に歯磨きをすること。そして、出来れば2~3か月に1回は、歯医者でどうしても溜まる歯石を取ってもらい、歯周病菌の発生を抑制したいですね。
 人生100年時代。明るく楽しく元気に生きるためにも、歯磨きのやり方と口内ケアは本当に大切なことと考えます。皆さんもぜひ。

合掌

2019.07.05 プラリサイクル業の大転換期に訪れた好機をどう生かすのか~「エリート」に期待~

 6月の後半に大阪でG20サミットが開催されます。この会議では、海洋プラスチックゴミについて、世界が注視する大問題となり、廃プラを削減する動きが全世界、全産業で活発に行われていくことが予想されます。自分の周りで見かけた廃プラ削減の事象として、レストランのプラストローが紙ストローになっていたり(飲み干す前には飲み口が柔らかくなっており、違和感が残りました)、ゴルフ場の脱衣場で必要な衣類を入れるビニール袋が廃止されていたことがあります。今後はもっと身近にワンウエイで廃棄されていたプラ製品について、代替や削減の大波が押し寄せてくると思われます。
 ありがたいことに、当社の取引き先は、歴史上インジェクション関連が多く、納品先まで含めてフィルム・シート関連は大変少ないので、このことによる影響はあまりないと思われます。
 一方、我々が得意とする、再生が比較的容易とされるインジェクショングレード関連は、環境省の打ち出した「プラスチック資源循環戦略」の③「再生材、バイオマスプラスチックの利用促進のなかで、プラスチックの再生市場を拡大するため要約すると、以下のように取り組むとあります。
 一つは「リサイクル等の技術革新やインフラ整備支援を通じて利用ポテンシャルを高める」。二つには「再生の実態を把握しつつ、グリーン購入法による率先的な公共調達、インセンティブ措置、マッチング支援などの需要喚起策を講じる」。三つには「プラスチック再生材の安全性を確保しつつ、繰り返しの循環利用ができるよう、含有情報の検討・整理を行なう」そして、ワンウエイや燃やさざるを得ないプラスチックは2030年までに、バイオマスプラスチックに最大200万トンまで、置き換えられます。
  この資源循環戦略は、このG20サミットで、上程され、日本が率先してやるべき指針となり、経済の中で展開されます。
 この9月から始まる<いその53期>を千載一遇の大チャンス期の第1期として、奔流をしっかりとらえ、本流の波にしっかり乗っていくために「人財育成」に力を入れてまいります。そのための主幹部門をつくることも検討しています。ここでいう「人財」とはどういう考え方をもった人物なのか。スペインの哲学者「オルテガ」の著書にある「エリート」と「大衆」の違いを挙げたいと思います。
「エリート」とは
 断れば断ることのできる特別な社会的責務をあえて受諾する者。自分に要求すること多く、自分自身の上に困難を積み重ねる者である。大衆の身分の中にも存在する。
「大衆」とは
 皆と同じと感じ、それで不安を感じることなく、他人と同じと感ずることに満足する者である。

 ひとりでも多くの「エリート」が輩出され百年の歴史を刻む企業となることを切に望みます。

合掌

2019.06.07「生涯生燃」満州国からの逃避行とその人生~かたじけなく生きるということ~

 宮﨑県椎葉村で綾心塾を開催している綾部正哉さんの講演を聞きました。昭和16年満州国三江省の生まれの77歳です。綾部さんが語った90分の話は衝撃の連続であり、普通に暮らしている日常がいかにありがたいものかを再度認識させられ、日本人の今の在り方を反省してみるべき機会をいただきました。
 まず一編の川柳から始まります。それは父親の遺品から、息子の名をちりばめて詠まれたものです。「青柳の包綾に良き部屋にして、正しく語れ哉、世の中の道」。しかし、この歳になっても「正しさ」の正体が分からない。80歳まで3年を余生とし、「生涯生燃」として、生きている限り燃え続けたいという思いがありました。そして尺八を吹きます。椎葉村に伝わる民謡の「奥山節」は、山に住む鹿達の逃れられない悲しい宿命を表現しています。深い情感の籠った音色でした。
 そして「月うさぎ」の話。ある旅人に「今からごちそうを焼くから火をつけておくれ」と話したうさぎは、その火に飛び込み、餓死寸前の旅人を救いました。それを見た神様が「世界中の人々がお前を見ることになるだろう」と言って月にうさぎを連れていきました。「敷島の大和男に生まれしは利他自損を旨としいきねば」が座右の銘のようです。
 本題です。満州国は日本人が作ったユートピアだったそうですが、昭和20年8月9日、5歳のときにロシアが不可侵条約を破り攻め込んできたのです。それ以来日本に帰れるか分からない逃避行が始まりました。物は壊されるなど筆舌に尽くしがたい地獄絵図でした。ある日、ロシア兵が私に銃を向けたところ、母がボタンがちぎれるほどの力で胸をはだけさせ、私の前にたちふさがり「私を撃ちなさい」と叫びました。すると、兵士は立ち去っていきました。命がけで私を守ってくれた母でした。弟の死に直面したとき、親切な人が、弟の髪を切り、「先に帰国している両親にこれを渡すまで死んではいけない」と勇気づけられたこともありました。
 綾部さんは昭和21年10月11日に無事帰国し、佐世保港に着きますが、それは奇跡が奇跡を呼んだ結果でした。実家に戻ったとき両親は息子を見て、へなへなと前に崩れ落ちました。すでに自分の墓ができていたということです。
 綾部さんの前段の川柳、月うさぎ、そして、尺八が切々と聞こえるのは、「今ここに生きていることが奇跡であることをかたじけなく受けとめて、人生を燃え尽くして、人のために生きたい」という魂の希求が我々の心に深く沁みこんでくるからだと思うのです。人生におけるかたじけなさを知ることは「生きること」の味わいを深くしていただけるようです。

合掌

2019.05.07新入社員に贈る言葉

 本年も新たに3名の新入社員を迎えることができました。当社を選んでくれた3名には深く感謝します。
これからいその㈱の一員になるわけですが、社会人は学生時代とは違って自らの得意技(存在することの意義)をしっかり磨いていき、会社が存続するための技量を身に付けること。その対価として給料が支払われ、自らの人生を円満に全うしていくことが大前提になります。
 社会人1年~2年の頃は先輩たちが早く成長しろよ、といろいろ指導してくれるはずですが、だんだんとそれもなくなり、自ら成長し、道を切り拓いていかねばなりません。そして会社側も自ら成長したいと願う社員には、投資をしてでも良き教えを学ばせるのが役割であると考えています。
 幸い当社は、プラスチックマテリアルリサイクル(以下マテリサ)においては業界をリードしております。中国の「ナショナルソード」や海洋プラの問題で廃プラスチック処理の問題が大きくクローズアップされている今、マテリサはますます脚光を浴びることと思います。100年企業を目標とし、経営理念を「今こそ地球に恩返し」としている当社にとって、日本を始め、ワールドワイドにマテリサを展開することが使命です。
 次世代を担う若者たちが成長しないでは、この使命が果たせません。自分の体験から、新入社員時代に学ぶといいなと思うことをいくつか挙げてみます。
①素直になる。
 松下幸之助さんが、一番伸びる人の特質として挙げているのは有名です。
②自らの壁は乗り越えることができると知ろう。
 人生には乗り越えることができない壁はやってきません。乗り越えることができるからやってくる。忍耐力が大切です。
③話上手よりも聴き上手になろう。
 学生時代は話上手が何かと重宝されやすいですが、社会人はこの態度では、先行きが心配です。まずは聴き上手になりましょう。本当の話上手は「聴き上手」なのです。
④若いときのお金は、成長するための投資として使おう。
 五感で得る情報(読書、映画、音楽鑑賞や観劇等)は全て自分の成長に繋がります。
なるべく「本物」に触れる機会を持とう。
⑤プライドを捨て、謙虚な態度をもとう。
 特に一番残念なことは、学歴にあぐらをかくことです。「人は死ぬまで勉強」と知りましょう。実際知れば知るほど知らないことが多いと感じます。
⑥人間として生まれてくることの凄さを知ろう。生まれて生かされていることに感謝しよう。
 「あなたは素晴らしい人間である」です。
是非、当社の使命を果たせる素晴らしい若武者に成長されることを祈っております。

合掌

2019.04.08「ワークエンゲージメント」~明るく楽しく元気良くの職場のために~

 皆さんは、ワークエンゲージメントという言葉を聞いたことがありますか? これは社員と企業が一体となって共通の目標のために最大級の力を発揮している状態のことを言います。結論を言うと、当社もこの「ワークエンゲージメント」が遺憾なく発揮されている会社にしていきたいという要望です。
 さて、ワークエンゲージメントが高い人はどういう人でしょうか?
・朝に目が覚めると、さあ仕事に行こうという気持ちになる。
・仕事に熱心である。
・仕事をしていると活力がみなぎるように感じる。
・仕事に没頭しているとき、幸せを感じる。
・自分の仕事に誇りを感じている。
 日本人のワークエンゲージメントは、一般的にどうでしょうか?「今の仕事に満足しているかどうか?」という質問を32か国18歳以上の国民にしました。日本では1,800人を調査し、結果は32か国中28位と低い水準になりました。この国際的な低さは何をもの語るのでしょうか? 一つには、理想の仕事に関する日本人の意識が変化しているにも関わらず、対応されていないことがあります。それは収入や名声が得られる仕事よりも良き仲間と健康に働けて、さらに特技を活かせる仕事が理想になってきていることです。二つ目に、海外に比べて「上司に不満」で会社を辞める人が少ないので、日本企業が管理職のマネジメントスキルを大事にしていないことがあります。三つ目に働き甲斐のある仕事の上位に第3次産業(IT企業、ホテル、コンサルティング等)で、製造業が苦戦することになってしまうのです。さて、いその㈱のみなさんは先ほどの問いにどうこたえるでしょうか? 4個以上○は高い、2個以下は低いで判断してみてください。
 どうやら、自分がみなさんに期待する像は、このワークエンゲージメントが高い人です。そして高い人が少ない会社ならば、社長以下のマネジメントスキルが低いことであり、素直に反省せねばなりません。部下のワークエンゲージメントを上昇できるための管理職の積極的な関わりをしっかりお願い致します。
 「ONE TEAM ONE ISONO」で理想とする企業づくりを目指して参りましょう。

合掌

2019.03.06鷹の選択

 みなさんは、鷹の寿命がどれ位かご存知でしょうか?いろいろ議論はあるようですが、鷹の寿命は40年までか、70年までの寿命に、2種類に分けられるようです。この差は鷹がまさに、自らの努力で創出するという類のもので、人間には驚くべき能力が発揮された結果と映るものです。自分の身体的な衰えにより、狩りの能力が落ちかけたと感じた鷹は、ある決意をします。
 まず、エサになる小動物は少ないが、自らの天敵のいない、山の高所に行きます。そこで、大きくなり過ぎてエサが取れなくなった、くちばしを石にぶつけて、叩き割るのです。まるでヒヨコのくちばしのようになります。しかしながら、そこから再度成長したくちばしは、固く艶のある、隆々としたものです。その若いくちばしで伸び過ぎて動物を掴めなくなった爪を一枚一枚、引き剥がすのです。そして生えてきた強い爪で、今度は老化して飛べなくなった羽を一本一本抜いて、生え変わりを待ちます。
 その姿を見たものは、恐ろしいほど痩せて、まるで、千日回峰行の修行僧のようだと言います。自ら正に激痛を伴う、血の滲むような努力の結果、若鷹となり、70までの寿命を全うするのです。
 自然界には、蝶のように、さなぎから羽化して、あの美しい姿になるものも多くあります。さなぎのなかを解剖してみると、ドロドロの液体であるそうです。たぶん、これも想像を絶する痛みのなかで、おこなわれているに違いありません。
 これらの話を聞いて、人生100歳平均寿命がまもなく来る時代において、これらが、人生を健康に長生きにする方法を教えてくれているように思います。
 老鷹にとって、古いくちばし、爪、羽を人間に置き換えてみたら、やはり体の部位であり、いたずらに休めることなく、ときに負荷を与えて鍛えることが、長生きに必要であるし、一番大切なことは、現状を良しとせず、激痛に耐える果敢な挑戦意欲をもち、変化し続けると自分を奮いたたせることではないかと思います。
 みなさんは、鷹の40または70のどちらの生き方を選びますか?いそのの社員は全員70の生き方を選択したいものですね。

合掌

2019.02.06「利他に生きる」

 過去57年の生をいただいた中で、見たり、聞いたりしたことで「利他に生きる」ということの実践と意味を再度確認したいと思います。

①長野県の「伊那食品工業」の社員さんの実践
・通勤時の会社入庫時は右折を禁止。1周遠回りして、必ず左折で入庫する
 -右折車両が重なる渋滞の発生を防ぐため。
・一般駐車場にとめる際には、入り口から一番遠い場所に駐車する。
 -老人や足の悪い人が楽に入店できるため。
・本屋では一番上にある本を購入する。
 -後から来る人がキレイな本を購入できるようにする。

②鍵山秀一郎様、ケーキハウスツマガリのツマガリ社長、タニサケ松岡会長ら人生の達人の話から
・「もしも不都合が起きたら、お客様の不都合を解決することを優先しなさい」
・「人を喜ばそうとするとアイデアが生まれる。邪悪な心をもつとアイデアはなくなる」
・「いかにその店が人のため、社員のためになっているか、周りのためになっているかをとことん考えている」
・「私はこの32年間、ずっとお客様を喜ばそうと心掛け、実践してきました。そのおかげで、人を喜ばせる習性が身に付いたようです。具体的には、感動する情報、特に涙のでるような紙面やCDをお客様に提供するようになりました。また、面談には約束の十分前には行きますし、頼まれごとは「即行」で応えるようにしています。そして、面談していただいた翌日にはお礼のハガキがお客様に届くように意識して書いています」
 -人生の達人たちには常に人の幸せを考える共通の生き方があるようです。

③あるテレビ番組でみた、生命誕生の神秘的な事実から
・1つの精子と1つの卵子が結合するが、自分という生命は、1億何千万との競争に打ち勝って存在する。驚くべき事実は、大量の精子は全て卵子に向かわず、一郡は途中でくるりと向きを変えて、自分たちの仲間以外の精子が入ってくるのを阻止、撃退する。仲間の一番の精子が卵子と早く結びつくのを助けるためだという。宇宙意思は原初の生命体にも思いやる心を植え付けているのである。
 -私たちは生まれ落ちる前から、激烈な競争に勝利するために、多くの思いやりに助けられている。

以上「利他に生きる」ことの実践と真実の意味を見てきました。我々は元々自分以外の人々を幸せにするために生まれてきた存在であり、それを行うことでしか、自分が明るく、楽しく、元気に生きられる存在になることは出来ない。そんな確信を得ました。是非、皆さんも「利他に生きる」をやってみませんか。

合掌

2019.01.07謹賀新年

 社員様及び家族の皆々様には、輝く2019年の幕開けを新しい希望にあふれて、元気良くお迎えになられたと心よりお喜び申し上げます。昨年を振り返り当社の業績は、皆様のおかげをもち、2016年からの業績を維持しており、順調と言えます。2016年から長期的な原油高があり、ナフサの高騰の要因を受け、エコプラスチック(適正材)のコストパフォーマンスが見直されて、引合いや受注が多かったことが貢献しています。また、先行配合やリードタイムの短縮もしっかり根を下ろし、製造原価を押し下げたのも要因です。しかしながら、足元の原油は急激に下がってきており、この状況も本年中盤には大きく変化してまいります。これからもひとり1人の今まで以上のご努力もよろしくお願いします。
 プラスチック業界を取り巻く環境は、昨年から大きく変容を遂げています。まず第1には、中国の廃プラの輸入禁止規制です。このことで受け入れていたベトナム、タイ、マレーシアも連鎖し、輸入禁止になりました。今ではプレコンシューマーの良き素材さえ、輸入禁止になっています。我々日本のプラ再生加工メーカーも間接的に影響が出ているようです。
 そして第2には、プラスチックの海洋ゴミの問題です。長年世界中で海や川にポイ捨てされたPETボトルや食品容器などのプラごみが紫外線にさらされてマイクロプラスチックになり、生態系に悪い影響をもたらす問題です。日本も「プラスチックスマート」キャンペーンを打ち出して国としての対策を発表しました。
 2つの大きな待ったなしの問題が起こっています。
 1番の解決方法は、各国が自国内で処分するということです。処分するとは、リサイクルして、モノに変えること。モノに変えることができないものは焼却すること。そして焼却できない残渣は埋め立てること。
 いろいろな考え方がありますが、自分はこの3つしかないと思っています。当社は、この「リサイクルして、モノに変えること」を60年間やってまいりました。この2つの問題を解決するのに、今求められる必要な技術のひとつだと確信しています。
 「今こそ地球に恩返し」の理念のもと、いそのグループ社員のひとり1人が地球に感謝、そして、すべてのことに感謝する気持ちを常に忘れることなく、日々を大切に生きる素晴らしい1年にして頂きたいです。
 本年も共に支えあいながら生きてまいりましょう。皆さまよろしくお願い申し上げます。

合掌